IR法案 (カジノ法案) とオンラインカジノ
IR法案とは
オンラインカジノには馴染みがなくても、 IR法案 (カジノ法案) という言葉は聞いたことがある人は多いでしょう。
本来、IR法案 (カジノ法案)のIRはINTEGRATED RESORT、つまり統合型リゾート施設のことで、大々的なレジャー施設(ホテル、テーマパーク、商業施設等)を国内に建設し、国内外から観光客を誘致しようと言うものです。
それがなぜカジノ法案と呼ばれるかというと、そのレジャー施設の目玉がランドカジノだからです。
日本のランドカジノがもたらすメリット
日本にランドカジノを作るメリットはなんでしょうか。地域活性、公共事業の創出とそれに伴う雇用の増加(失業率低減)、国外からの観光客の増加、などなど。。。
色々名目はあるでしょうけど、政府の目的は税収です。ランドカジノがもたらす経済効果は、ラスベガスやマカオの例を見ても明らかです。
Wikipediaによると、「マカオでは、2017年のカジノ等税収が約940億パタカを記録し、歳入に占める割合は79.66%を占めた。同年の歳出は777億パタカであり、歳出の全てをカジノ等の税収で賄うことに成功している。2018年には一ヶ月当たり約1091億円のカジノ税収があり、マカオでは歳入の約7割がカジノ税による収入である。マカオはカジノ税で財政収支黒字なため、2018年にも11年連続で現金支給し、5年連続で約12万円を国民に支給して」います。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%9E%8B%E3%83%AA%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%88)
パタカはマカオの通貨で、MOPと記載されます。940億パタカは約1兆2千億円に相当し、東京都の令和元年税収予測が5兆5千億円である事を考えると、人口わずか62.26万人のマカオでカジノの税収がいかに大きいかがわかります。
同じように、日本にランドカジノを建設し、国外から単なる観光客というだけでなく、家族ぐるみで、かつカジノにお金を落としてくれるのなら、私企業だとしても法人税の増収、国が絡むなら更に美味しいです。
勿論、最初からマカオと同規模の施設を建造する訳にはいかないので、本格的に税収が増えるのはかなり先になるでしょう。
カジノ法案の現状
カジノ法案は2004年に基本構想が公表され、紆余曲折を経たあとで、2018年6月に衆議院で、同年7月に参議院でIR実施法案が可決され、実施はほぼ決定と言っていいでしょう。地方自治体の承認は。カジノの誘致には2019年9月時点で北海道, 千葉市, 東京都, 横浜市, 名古屋市, 大阪府・市, 和歌山県, 長崎県が立候補しています。
正式には2022年頃に決定しそうですが、実際の施設の建築はそこから5年位はかかるでしょうから、相当先の話ですね。
カジノ法案とオンラインカジノ
カジノ法案の問題は、ランドカジノが日本にできることによる治安の乱れと依存症対策とされ、対策が検討されています。
ギャンブル依存症による多重債務、破産、サラ金問題、その背後の暴力団など、社会的な影響は大きいでしょう。
反面、オンラインカジノ関係では、現状カジノ法案の中にオンラインカジノは検討に上がっていません。
ランドカジノを日本に作るという事は、「オンラインカジノと日本の法律 (違法?合法?逮捕者?)」で書いた、「賭博法の成立には賭場の提供者と賭博者が国内に存在すること」という前提に真っ向から反しますので、今の賭博法のままランドカジノを作ると全員逮捕です。
それはそれで面白いオチですが、現実的にはまず賭博法の改定が絶対条件でしょう。日本人を絶対カジノに入場させないならカジノで遊ぶのは外国人だけになり、日本の賭博法の及ぶところではありませんが。
そして、この改定時に、外国にサーバーを置くオンラインカジノをどう定義するかという問題は必ずでてくるものと思われます。
オンラインカジノ含むカジノというものが広く認知されるか、オンラインカジノの特性が改めて整理され問題がないと判断されるか、ランドカジノの利権確保のため一切禁止になるか、いろいろな可能性があります。
少なくとも、今は違法ではないと判断されていますので、安心してください。